作 者 : 平 山 郁 夫 Hirayama Ikuo ( ひらやま いくお )
作品名 : ア フ ガ ニ ス タ ン の 砂 漠 を 行 く ・ 日
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アフガニスタンの砂漠を行く・日」の完成によせて
(美術評論家・平塚市美術館館長
)草薙 奈津子
「今はただ黄褐色の大地が、渺々として広がる砂漠であっても、そこには確かに、この地を行きすぎた数知れる人々のさまざまな思いが漂っている。」
作家自信この作品について語るように、平山郁夫がシルクロードを、アフガニスタンの砂漠を、掻き続けるのは、常にこういう思いを抱くからではないだろうか。
1966年にトルコ・カッパドキアに行ったのを最初に、平山はすでに百数十回とシルクロードを訪れている。そうしてこのような隊商の姿に思いを馳せたこともたびたびあったであろう。
山岳地帯と砂漠地帯ばかりのようなアフガニスタンにも、まるで緑の絨毯のようにオアシスが点在する。そこを頼りに旅する隊商の心の内は様々であろう。彼らは自然が与える過酷に耐えると同時に、時には喜びや楽しみを享受し、そして計り知れない感動、さらには神秘をも体験するであろう。そういう幾多の経験から自然の偉大さを知り、淡々、黙々と時を過ごすことを学ぶのかも知れない。
この作品を見ているとそんな思いがよぎる。太陽がぎらぎらと照りつける灼熱の炎天下、次のオアシスへと駱駝の歩を進める。その一歩一歩は大宇宙の中ではまるで遅々とした動きで、あたかも静止しているようなものかもしれない。そんな静寂が画面を覆う。
この原画は昼夜二作からなる。駱駝と人物は同一の下図を逆さにして作ったのであろう。(日)では隊商が右から左に向かい、(月)では左から右に向かって進む。背景の遺跡は(日)では近くに迫り、(月)では冷たく離れる。わずかな違いが(日)では日中のむんむんとした空気を伝える。
これは、アフガニスタン砂漠地帯の隊商の姿であると同時に、茫漠たるシルクロードに宇宙のロマンを追う平山郁夫の姿でもある。
仕 様 と 体 裁 | |
限定部数 | 130部 |
画面寸法 | タテ41.1 x ヨコ88.0 cm |
額装寸法 | タテ68.3 x ヨコ113.2 cm (平山画伯選定の特製豪華額縁入り) |
版数色数 | 37版37色 |
用紙 | フランス製BFK |
監修 | 平 山 郁 夫 |
工房 | プリントハウス オー・エム 摺師 尾崎正志 |